【第三十話-男道-】

コヒ       「はぁ・・・」
ザウ       「ど、どういうこと?」
破戒僧     「と、とりあえず助かったな・・・」
尻子       「とにかくここは危ない。移動しよう」
コヒ       「な、なっちゃん?」(コヒは優しくなっちゃんを起こした)
コヒ       「だめだ・・完全に気失っとるが・・・」

カーンカーンーカーンカーン
不気味な音がよりいっそうとでかくなってきた
一同は身を隠しながらこの教室の出口から手前の教室のガラス越しに校庭を見た

ザウ       「なんだよあの明かり・・・」
尻子       「提灯・・・?」
ザウ       「遠くてみえんわ・・あっちの教室いってみよで」
破戒僧      「なっちゃんは?」
コヒ        「俺がおんぶする」
ザウ       「辛くなったら言ってな。交代するで」
コヒ        「ありがとう、ザウきゅん」

一同は最初に居た校庭側の教室へと慎重に移動し校庭をうかがった

尻子        「うっわ・・」
コヒ          「やべえ・・・なにあれ・・・」
ザウ         「暗いし目悪くてよくわからん・・・」
破戒僧      「おいおい・・・人だろあれ・・・」

そこには校庭の門の前でこちらを見つめ何かを唱える白い装束を着た集団が校舎を囲むように立ちふさがっていた

コヒ          「もうだめだ・・・逃げれない」
破戒僧      「噂は本当だったんだな・・」
尻子        「謝ろで・・土下座しよう」
破戒僧      「それで許してもらえるのか・・・?」
ザウ        「不気味すぎるだろ・・・あんなに人間がいたとわ・・・」
破戒僧      「完全におこらせてしまったみたいだな・・・」
尻子        「そんなに悪い事したかな?物壊したわけでもないのに・・・」
コヒ          「みんな、楽しかったよ。ありがとw」
ザウ         「え?」
コヒ        「ザウきゅん・・・なっちゃん頼むよw」
破戒僧      「どうしたんだよ?まさか特攻する気か?」
コヒ        「いや。俺1人で話ししにいく」
尻子        「なんでや。みんなでいこうで」
ザウ        「ああ・・みんな・・・仲間やんか」
コヒ        「ありがとうwでもな。みんなで行ってみんな死んだら意味ないんよ」
尻子        「じゃあどうすれば・・?」
コヒ        「見ててくれ。俺の様子を。俺が万が一あいつらに捕まるようならすぐ逃げてくれ」
ザウ        「逃げるっていっても・・・どうやって?門はふさがれてるぞ・・」
コヒ        「さっき五百籏頭さん探しに行ったとき、裏口があったんよ。」
破戒僧      「・・・そういえばあったな。あそこか。向こうの教室の窓から出ればそこまで行けそうだな」
コヒ        「もし交渉が通ったら手を招くジェスチャーするね。聞いてもらえず逃げの合図は・・・なっちゃんの防犯を鳴らす」
尻子        「・・・わかった」
コヒ        「んじゃ・・・いくわw」
ザウ        「まじで1人でいくんか・・?」
コヒ        ニコッ (笑顔を残し、コヒは足早に校庭へと向かった)

尻子        「無茶しやがって・・・」
破戒僧       「あの野郎・・・かっこつけやがってくっそがぁ・・・」
ザウ          「・・・準備はええか?おまえら」(ザウはなっちゃんを抱え逃げの体制へ入った」

校門へと向かうコヒの勇敢な後姿を見とどけた
コヒは数メートル離れた場所から何か言葉を発し必死に土下座しつづけた

尻子       「ゴクリ・・・」
破戒僧      「・・・土下座しはじめたな」

ゆっくりと白装束の不気味な団体はコヒを取り囲むように隠した