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【第三十一話-無念-】

尻子      「あかん・・みえん」
その直後、なっちゃんの防犯ブザーが悲しく校庭から鳴り響いた
白装束の集団はゆっくりとこちら側に歩いてきた

尻子       「き、きたあああ、逃げるよ!!」
破戒僧     「・・・コヒの奴・・・。逃げるぞ!」
ザウ       「お、おう!!」

4人は心拍数を上げながら、先ほどの教室の窓から必死に逃げ出した

破戒僧     「こっちだ、急げ」
ザウ       「はぁ・・・きつい」
尻子       「大丈夫?かわろうか」
ザウ       「あかん、このままノロノロしてたら4人共にオダブツや・・」
尻子       「でも・・・どうする?」
破戒僧     「なっちゃんだけをここに放置していくってのか?」
ザウ       「それはできん。丁度そこの鶏小屋の影の茂みになら、2人くらいなら隠れられそうだ・・・」
尻子       「え?じゃあ俺たちだけ逃げろってこと?」
ザウ       「時間が無い、それ以外ない。最悪なっちゃんだけはばれない様にする」
破戒僧     「だめだ。4人で逃げようぜ。」
ザウ         「なっちゃん抱えたままだと、交代しても捕まるのは時間の問題だ、はよ・・・」
尻子        「あかん、提灯の明かりが近づいてきた」
ザウ         「大丈夫・・あいつらが通りすがったスキを見て、2人で脱出する」
破戒僧       「わ・・・わかった・・。なっちゃんを頼むぞ・・・」
尻子        「また再開しよで・・・たのむきん・・・」
ザウ        「ああ・・・また春に会いましょう」
破戒僧      「・・・いくぞ」     
尻子       「お、おう・・・く、くそ・・・くっそがぁぁぁ・・・泣」
破戒僧      「くっそがぁぁぁ 泣」

こうしてザウとなっちゃんは物陰に身を潜め
尻子と破戒僧は仲間と別れ悔しさを込めつつ逃げた

破戒僧      「こっちだ」
尻子        「あかん、向こうからもきた、ここしかない」
破戒僧      「獣道か・・・行くしかないな」
尻子       「うわーもう・・・蜘蛛の巣はっとるがぁぁ」

二人は必死に進んだ。その直後であった

ああああああああああああああああああ
きゃああああああああああああああああ

破戒僧      「嘘だろ・・・」
尻子        「そんな・・・」

闇の中、ザウとなっちゃんの悲痛な叫び声だけがこだました

尻子        「せめて俺たちだけでも日付変わるまで生きてやるわくっそが」
破戒僧       「そうだな。そうすれば何かかわるかもしれん・・・」
尻子        「でも俺たちだけ帰れてもみんなは・・・」
破戒僧       「・・・いくぞ」

その先100mほど走ったところだった。そこには開放された空間があり行き止まりになっていた

尻子        「なにここ・・・?
破戒僧       「え・・・?いきどまり?」

???       「苦しいよ・・・」
???       「助けてよ・・・」
???       「答えてよ・・・」

尻子        「・・・なに?」
破戒僧       「うわああああ」