【第十話-保三-】
(尻子しょぼちんザウ編)
尻子 「しょぼ道大丈夫?」
しょぼちん 「ちょ・・信用ないなぁwだいじょうぶですよ」
ザウ 「遠いいの?」
しょぼちん 「10分くらい。軽く山登ったところにあるんよ」
ザウ 「いやーマジでマイナスイオン吸い放題やがーw」
尻子 「ん?あれ子供?」
しょぼちん 「どこ?どこ?」
ザウ 「なんかしとるな」
しょぼちん 「あ、あれは確か・・・」
尻子 「わからないんかい!」
??? 「あれ、しょぼちんお兄ちゃんだ!久しぶり!」
ザウ 「村の子供か?」
しょぼちん 「えっと・・何君やっけ?w久しぶりすぎて・・・」
尻子 「ちょーw」
??? 「んもぉひどいなぁ。保三(やすみつ)だよ」
しょぼちん 「あー!保三くんね!はいはい!おっきくなったなー!」
ザウ 「覚えといてやれやぁ・・・」
尻子 「しょぼ、数日前からこっちきてたんちゃうの?」
保三 「僕、体悪くて市内の病院に良く入院するんだ。今日の朝帰ってきたの」
ザウ 「まじか・・・小さいのに苦労してるな・・・」
保三 「この村には設備がないから・・・」
尻子 「こんなとこで何してるの?」
保三 「暇だから虫と遊んでるんだ」
しょぼちん 「遊んでるって、どうやって?」
保三 「虫と虫を戦わせるんだよ!面白いよ」
ザウ 「田舎の少年は自然と遊べていいなw」
尻子 「でもそんな残酷な遊びあかんで」
保三 「え?だって面白いんだよ。こうやって棒で突っつけば奮闘するし」
しょぼちん 「そんな事したら弱ってまうやん・・・」
保三 「まーそうだけど」
ザウ 「たかが虫でも命は大切にせんとあかんで」
保三 「なんで?虫なんてたくさんいるしよくない?」
尻子 「そうだけど死んじゃったらどうするん?」
保三 「そしたらまた変わりの虫みつければいいだけ」
しょぼちん 「お前それを自分がやられたら嫌だろ!!!」
ザウ 「ちょ・・しょぼw」
尻子 「まぁまぁ・・そんなでかい声だして怒るなや、村にコダマするで」
保三 「そうだけど・・・仕方ないじゃん・・・遊ぶ友達いないし」
しょぼちん 「・・・急にどなってごめんな・・・」
保三 「いいよ。どうせ僕なんかどこへいっても誰にもわかってもらえないし」
尻子 「そういう事を言ったわけやないよ」
ザウ 「ほかに子供はいないの?」
しょぼちん 「女の子が二人おるやん」
保三 「う・・・うん」
尻子 「その子達とは仲良くしないの?」
保三 「嫌われてるっぽいんだ僕」
ザウ 「なんでそう思うん?」
保三 「ちょっかいだしてたら嫌われたの」
しょぼちん 「何でそんなことするん?普通に仲良くしたらええやん」
保三 「僕は悪い事してるつもりはないよ、好きだから近づきたかっただけだし」
尻子 「保三くんは悪い事してる自覚が無くても、嫌がってるならやめないとあかんよ」
保三 「・・・」
ザウ 「ちょっとまだわからないよな・・・」
しょぼちん 「好きすぎてどうしようも無い気持ちは俺もわかるからキツクいえんな・・」
尻子 「とりあえず相手が嫌って言う事はやめたらええんよ」
保三 「わからないよ。何で嫌っていうのかが」
ザウ 「うーん・・・どしたらええんやろな」
保三 「あ、でも心配しないでいいよ。最近、市内の病院で気になる子できたし、だからもう2人には興味ないし」
しょぼちん 「そうなんか。その子達とは仲良くしてる?」
保三 「微妙かな・・・そこでも他所者扱いされて冷たいよ。でもその子は何も言わないから」
尻子 「そうなんや・・・まぁまだ子供やけん。暖かく見守ってあげるのが一番よ」
ザウ 「せやな・・・」
村民 「おーーーい!なんだ保三。こんなところに居たのか。危ないから村で遊びなさい」
保三 「ちぇっ。はーい。お兄ちゃん達またね」
尻子 「お、おう・・・ごめんな」
ザウ 「またお祭りで会おうね」
しょぼちん 「お兄ちゃん達、でっかい魚つったるから。あとで食べさせてやる」
保三 「うん、ありがと。楽しみにしてるね。時異瑚で取れる海老は美味しいよ」
尻子 「テナガ海老かな」
ザウ 「保三くんまたなぁ!」
村民 「ごめんねぇしょぼちん、お二方」
保三 「バイバイ」
2人は村へと帰って行った
尻子 「可愛そうやな・・・」
ザウ 「ワシらにはどうする事もできんのよ・・・」
しょぼちん 「まぁ気にせんでええよ。さ、気を取り直して釣りいこで」
尻子 「おっしゃー!釣るぞ」
ザウ 「誰が一番釣れるか勝負や」
しょぼちん 「負けませんよ」
3人は湖へと向かった