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【第十六話-過去-】

(五百籏頭 阪田編)

五百籏頭     「これ・・・この村の歴史じゃないか?」
阪田        「だからなんすか・・・」
五百籏頭     「つれないやつだなー そういうの興味ないのか?」
阪田        「この村か・・・まぁ、ちょっと気になるかも」
五百籏頭     「だろ?なんでもその昔、この村には神様がいたらしいぞ」
阪田        「ベタな話しだな」
五百籏頭     「冷めてるなーお前・・・もうちょっとロマンを感じろよ」
阪田        「いやちゃんと聞いてるよ。んで?他は?」
五百籏頭     「なんでもこの村は昔は今の数倍近くの規模があったらしいぞ」
阪田        「そうなんだ。そりゃーこんな所に誰も住みたくないわな」
五百籏頭     「・・・まあな。でもそれが原因じゃないみたいなんだ」
阪田        「なんで?」
五百籏頭     「幾度と無く問題がおき、住み着く人間もどんどん減っていったらしい」
阪田        「問題?地震とか?」
五百籏頭     「そこまでは書いてないな。」
村民        「人災だよ」
阪田        「うわっ!びっくりしたぁ・・」
五百籏頭     「あ、すみません勝手に読んでしまって」
村民        「いやいや、構わんよ。ありがとうな、こんな綺麗に」
阪田        「いえいえ」
五百籏頭     「よければお話し聞かせていただけませんか?」
阪田        「やめとけよ・・・」


村民         「いや別にいいぞ。昔はこの辺には村が他にも何箇所かあってのう
            ある程度の距離感を置いてお互いうまくやっていたんじゃよ
            ただある日、過疎化が進み、それぞれの村民は、他の村へと交流を求め
            集まりだしたんじゃ。最初は皆楽しくやっていたけどな・・・
            そのうち、やっぱり合わないと反対する者も出だしてな。
            その一部の反対者が色々な噂をたて、住民を困惑させ最悪な結果になってしまった」

阪田         「戦争?」

村民         「そんなかんじじゃな。一時期は収まったんだが、やはり過疎が原因で
             生きるのに支障がでてのう、協力しては争いごとになったりの繰り返しで
             結局は団結力が強いこの村だけが残ってしまったんだよ

五百籏頭      「悲しい事件ですね。他の村の村民はどこへ?」
村民         「今は、もう少し住みやすい麓の地区に避難したよ」
阪田         「ここの村民は団結力ありそうだね、昨日の劇をみてるかんじ」
村民         「そうじゃな。団結力が強く密度が高い分、よそ者には排他的な傾向はあるな」
五百籏頭      「俺らもよそ者では・・・」
村民         「君らはしょぼちんのお友達だろ?そういう方達には何も抵抗がないんだよ」
阪田         「よかった」
五百籏頭      「失礼ですが、排他的な考えをやめて新しい風をとりいれれば、人も増えるのでは?」
村民         「そうなんだよな・・・でもそう思った時には時既に遅く、このありさまだよ」
阪田         「ダムの問題もあるんですっけ?」
村民         「ダムの問題もあるし、高齢化もあるし、この村はあと数年もてばいいほうだよ」
五百籏頭      「うーむ。まだ来て1日だけど、愛着わいたこの村が無くなるのは悲しい」
阪田         「そうだな・・。」
村民         「そういってもらえるだけでうれしいよ。」
阪田         「ダム問題はどうしようもないの?」
村民         「無理だよ。もう私達にそのような力はない・・・。」
五百籏頭      「ではみなさんはどこに行かれるんですか?」
村民         「そうなった場合は私達も麓の町へ行くよ。適応するまで時間がかかりそうだが・・・」
阪田         「そうなんだ・・・」
村民         「ただ・・・」
五百籏頭      「・・・・はい?」
村民         「これはワシの勝手な推測なんじゃが、本当に国の力なのかが疑問なんだよな」
阪田         「どういうこと?」
村民         「どうも何か違う力で征圧されてるような気がしてな」
五百籏頭      「うーん・・・。どちらにせよ何もできないのが悔しいな・・・」
村民         「いやいやその気持ちだけでも十分だよ。ありがとう。そういえば他の子達はどうした?」
五百籏頭      「そういえば何してるんだろう、あいつら」
阪田         「さぁ~ 寝てるんじゃない?」
村民         「あとはここはワシが片付けておくから、みんなのとこへ行っておいで。折角の時間がもったいない」
阪田         「どうする?そうする?」
五百籏頭      「それもそうだな。俺も村を見て回りたいし行こうか」
村民         「何も無いところだけど、楽しんでいっておくれ」
五百籏頭      「ありがとうございます!では失礼します!」
阪田         「では」

二人はみんなを探し出しに村へ向かった